センター長挨拶

ご挨拶

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センター長

桑名 正隆

全身性強皮症(以下、強皮症)、多発性筋炎/皮膚筋炎(以下、筋炎)は皮膚、関節や内臓諸臓器など多彩な病変をきたす膠原病で、国の指定する難病のひとつです。最近は多くの膠原病で治療成績が向上しましたが、強皮症と筋炎はいまだに難治性病態として取り残されています。画期的な治療薬がないなどさまざまな理由がありますが、大きな要因として医療を提供する側の問題が挙げられます。これまで全国の医療機関からの紹介やご自身の意志で受診された数多くの患者さんを診療してきましたが、残念ながらわが国では多くの患者さんが適正な医療を受けていない現状に驚きました。強皮症や筋炎のように特効薬がない病気では、経験豊富な専門医が集まって診療のコンセンサスを得ること、さらに意見を集約できない課題があれば臨床研究を行って一つ一つ解決していく作業が不可欠です。このように国や診療科を越えて作られた最新かつ最善の診療を提供する場が必要と長年考えてきました。

このたび5年間の準備期間を経て、日本初の強皮症・筋炎の専門診療を提供するセンターを開設することができました。当センターでは患者さんに対して、国際標準かつ最新、最先端の医療を提供することを目的にしています。強皮症、筋炎の診療経験を豊富に積み、難病克服に熱意を持つスタッフが力を合わせて、個々の患者さんに質の高い医療の提供を目指していきます。スタッフ一同、その使命を果たすべく努力いたしますので、皆様のご支援とご協力をお願いいたします。

センター長 略歴

1988年 慶應義塾大学医学部卒業
1992年 慶應義塾大学大学院で強皮症研究を行い医学博士取得
1993年 ピッツバーグ大学強皮症センターでポストドクトラルフェローとして臨床研修、研究に従事
2000年 慶應義塾大学医学部先端医科学研究所専任講師
2005年 慶應義塾大学医学部リサーチパーク「自己免疫制御、組織再生促進、線維化阻止を包括した治療法の確立」チームリーダーとして強皮症、筋炎の診断、治療薬開発の基礎研究を主導
2006年 慶應義塾大学医学部内科(リウマチ)准教授
2014年 日本医科大学 大学院教授
日本医科大学付属病院リウマチ・膠原病内科 部長
1999年〜現在 厚生労働省 強皮症研究班分担研究者
2003年〜現在 厚生労働省 自己免疫疾患研究班分担研究者
日本内科学会評議員、日本リウマチ学会理事、日本肺高血圧肺循環学会副理事長、WSF(世界強皮症財団)Ex Officio Steering Group
学術雑誌編集長(Modern Rheumatology、Journal of Scleroderma and Related Disorders)