お知らせ

欧州リウマチ学会国際会議で当センターから発表を致しました

本学大学院2年次の吉田晃先生が、今回ご発表されましたので、以下にコメントをいただきました。

今回, 欧州リウマチ学会国際会議 (EULAR 2020) でポスター発表をさせていただきました. EULAR 2020は当初, ドイツのフランクフルトで6月3日から6日にかけて開催される予定でしたが, COVID-19の影響によりオンラインでの開催(E-Congress)となりました. ポスター発表もePoster形式となり, ポスターのデータおよび2分間のナレーションをアップロードする方式でありました.

私は, 抗ARS抗体陽性例における「抗uncoupled-Ro52抗体」の臨床的意義について発表しました. 抗Ro52抗体には, Y-RNAと結合したRo52蛋白に対する自己抗体(抗Ro/SS-A抗体)と, 遊離した状態で存在するRo52蛋白に対する自己抗体(抗uncoupled-Ro52抗体)の2種類が存在します. これまでの抗ARS抗体陽性例での報告では, 2種類の抗Ro52抗体を区別して検討したものはありませんでした. 当科では, RNA免疫沈降法で自己抗体の同定を行なっており, ELISA法の結果と組み合わせることで抗uncoupled-Ro52抗体陽性例を同定することが可能です. 今回の検討では, 当科の抗ARS抗体陽性97例のうち35%が抗uncoupled-Ro52抗体陽性であり, 中でも抗Jo-1抗体および抗EJ抗体陽性例で高頻度に併存することがわかりました. 抗uncoupled-Ro52抗体陽性は, Gottron徴候と関連していましたが, 間質性肺疾患の頻度および重症度とは明確な関連がありませんでした.

せっかくポスター発表の機会をいただきましたが, 現地でのプレゼンテーションおよびディスカッションができなかったことは大変残念でありました. ePosterを含め, 今回のE-Congressで発表された内容は, 9月までEULAR CongressのWebページから閲覧可能ですので, ご興味のある方々はアクセスしていただけましたら幸いです.

最後に, 今回の発表にあたってご指導をいただきました当科桑名教授, 五野准教授, 山崎准教授, 岡崎様に, この場をお借りして感謝申し上げます.

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